「日本の常識は、世界の非常識」と言っていたのは、政治評論家の竹村健一さんだったでしょうか?まさに、チョコレートの世界にもこの図式が当てはまります。
前回ご紹介したチョコレートの定義について、もうすこし詳しく見てゆきましょう。日本で「チョコレート」と表示していいものは、
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・日本のチョコレート:
総カカオ35%以上 カカオバター18%以上 非脂肪固形分17%以上
代用油脂 可
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たとえば、カカオ分70%のチョコレートの場合、 ココアバター18%+ココア分(ココアバター以外のカカオ成分)52%=70% 当然、油脂分が不足しますから、これを代用油脂「ハードバター」で補います。これでも、チョコレートと称してもいいとなります。
ところで、国際基準では、チョコレートといっても、3つのランクがあります。
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・クーベルチュール・チョコレート:
総カカオ35%以上 カカオバター31%以上 非脂肪固形分2.5%以上
代用油脂 不可
・純チョコレート:
総カカオ35%以上 カカオバター18%以上 非脂肪固形分17%以上
代用油脂 不可
・チョコレート:
総カカオ35%以上 カカオバター18%以上 非脂肪固形分17%以上
代用油脂 可
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クーベルチュールとは、フランス語で「覆い」という意味です。お菓子の原料として使用されているもので、上記のように最高の品質を求められます。チョコレート職人「ショコラティエ」たちは、それぞれ特徴のあるクーベルチュールを組み合わせて、自分たちの味を作り出しています。
日本では、この国際基準の最低のランクを満たしていれば、すべて一律チョコレートと称していいことになります。ですから、クーベルチュールなどという名称は、日本では自由につけられるわけですから、結果として、国際的な品質には至らないものもあるようです。
本物のチョコレートとは、「カカオバーターだけを使っている=口溶けもなめらかで香りが高い」。工業先進国、コスト重視の日本では、この定義に当てはまる本物のチョコレートは、意外と少ないと考えなくてはなりません。事実、農林水産省消費技術センターのレポートでも、この事実を裏付ける調査報告が、掲載されています。
ただし、お菓子をコーティングするための材料としては、このような本物のチョコレートは、低温で溶け出してしまうため不向きです。このような目的であれば、むしろカカオバターが少なく代用油脂が多い準チョコレートが向いています。準チョコレートは、使う目的に応じて、伸びの良さや溶ける温度などを異なる代用油脂の組み合わせで調整することができます。味や香りといった品質よりも物理的な特性を重視する場合は、こちらが使われます。
ヨーロッパ土産のチョコレートが、ありがたく思うのは、「なんだか高級感があるから」ということだけではなく、ちゃんと「おいしさが保証されている」からなんですね。
2007年2月21日水曜日
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1 件のコメント:
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