「チョコレートの歴史(河出書房新社)/1999年」の中でおもしろい記事を見つけました。『バロック時代のスペインでは、というより実のところヨーロッパ中で、強い風味を持つチョコレートが、毒を仕込むのにはうってつけの食品と見なされるようになった。・・・(中略)・・・スペインのある「貴婦人」が、わけもなく自分を捨てた恋人に復讐したのである。彼女は自宅に男を呼びつけ、短剣とコップ一杯の毒入りチョコレートのいずれかを選ぶようにと迫った。男はチョコレートを選び・・・(中略)・・・それを一滴残らず飲み干した。一時間とたたないうちに、不運な恋人は苦しみながら息絶えたが、貴婦人は「残酷にも、その場にとどまって男が死んだのを見届けた。」』
バロック時代(17世紀ごろ)のチョコレートは、今のような固形ではなく、飲料として供されていました。いやはや、恐ろしいことです。でも、迫られたからといって、毒入りだと分かっていたのに飲む方が悪い・・・そう思いますがねぇ。
しかし、こっそり仕込まれてしまっていたのでは、これはもうあきらめるしかありません。
「このチョコレート、わたしの手作りなの・・・(にゃーん)」なんて、猫なで声で、プレゼントされたあなた。食べる前に、彼女の目をしっかりとのぞき込んで下さい。目が座っていていたら要注意。何か悪いことしてませんか?しっかり胸に手を当てて、覚悟を決めてから口に運びましょう。日頃の行いが大切ですよ!

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